インド旅行記


 夏も終わりかけの頃、ネコ美さんが年末にインドに行くと言い出した。
もう友達のアヤさんと一緒に行く約束もしてるという。


インドといえば、ヨガとカレーとガンジーとパル判事くらいしか思いつかない。二人の為に色々調べてみた。調べた結果は、気をつけろだのだまされるなのオンパレード。さらに詳しく調べていくと今度は汚いだの必ず腹こわすだののオンパレード。しかし、そもそも旅とはそんなものだ。良くも悪くもあり得ないことが起こって感動するところが良いのだ。ムツゴロウさんは外国行くと、現地の水をあえて飲んでお腹こわすらしい。その土地でそういった経験をしてこそその土地のことを「わかる」、ということらしい。なるほど!!
調べていくうちに自分も興味が湧き一緒に行くことになった。一生のうちに一度くらいは正月に成田で、”正月は海外で過ごしました組”としてインタビューを受けてもいい。インドに行った人の特徴として、ハマる人と二度と行きたくない人に分かれるらしい。自分はどっちだ。


情報によるとインドに旅行したかなりの人がお腹こわしてる。ということで赤玉と下痢止めを購入。
次に私は乗り物に弱い。インドへの飛行機や着いてからの列車移動がある。しかも10時間以上の。ということでトラベルミン購入。
登山バッグを好日山荘で購入。オスプレーのケストレル。

 インドの気温は鹿児島とそんなに変わらないらしいが中継点の東京が寒い。
着るものを考えねば。

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 午前中仕事を済まし、午後の便で羽田に向かう。羽田に着いたその足でバスに乗り込み、成田近くのホテルへ。
ホテルに荷物おいて晩飯はどこに行こうかとなった。鹿児島にはないジョナサンとデニーズどちらかにするか。近い方のデニーズに決定。しかし混雑していて座席が空くのを待つことに。ファミレスで空席待ちなんて田舎では殆ど無い。

食事終えて部屋に戻り、テレビをつけると「すべらない話」をしてる。シャワーやら準備やらしてたので少ししか観なかったが、小藪さんのがおもしろかった。新喜劇の公演中に大をしたくなり、一生懸命おしりの穴を閉めてもオレもオレもと出てきてしまう話。途中でメッセンジャー黒田さんが写る。ここに来るバス内の電光掲示板に黒田さんが暴行容疑で逮捕されたとか出ていた。本当だろうか。全部見ていないからわからないが本当だったら黒田さんがしゃべったとこはカットされたんだろうな。


日本にいると湯水のようにあらゆる情報がいやがおうにも入ってくる。
バスに乗っててすら、オレもオレもと入ってくる。でもこんな他愛もない情報も明日からは全く入らなくなる。日々のやるべきことに集中できて、案外いいことなのかもしれない。
準備して寝よう。

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 朝一番で朝食を取るため早起き。
たいていのホテルは「朝食は7時からです」といいながら15分くらい早く開けてるものだ。しかしこのホテルでは10分前に一階のレストランへ降りて行ってもまだ閉まっている。他のお客さんも何名か待っている。結局7時きっかりに開いた。

へぇー、こんなホテルもあるんですね。
きっとここのオーナーはカップラーメンを作る際はタイマーできっちり3分間計る人だ。
 よくあるバイキング形式の朝食。ざっと一通り皿にのせ、席に座る。
盛ってきた皿見るとなんか物足りない。そうだスクランブルエッグとポテトフライがない。どこにいっても置いてあるので、これに果物をつけるのが私の中では定番なのに、ここには置いてなかった。

へぇー、こんなホテルもあるんですね。
きっとここの厨房には、ゆで卵は白身のみ、揚げ物は食べない主義のストイックなボディビルダーが立っているのだろう。


朝食食べた後、チェックアウトして成田行きのバス停へ向かう。
成田に着くと、まだインドに着いてもないのにインド人に出会ってしまった。看板にあるエアインディアのマークを指でさしていた。パリッとしたスーツ姿から最近のインドのイメージであるIT関係の仕事をしている人か。


飛行機に搭乗。しばらくすると多くの乗客が右の窓を覗いてる。
見てみると富士山が見える。こんなに間近で鮮明に富士山を見るのは初めてだ。
やっぱ日本一だ。最近爆発しっぱなしの荒くれ者、桜島とは違い落ち着いている。でもなんだかんだいっても鹿児島県民は桜島が好きだ。
夏は西に、冬は東に灰をまき散らしてますが根はいいヤツなんですよ。
鹿児島の唯一の見せ場です。…いえいえ屋久島もありました。沖縄なみにきれいな与論島もありました。お隣には東国原知事もいます。


いつか富士山登りたいです。でもきつそう。
輪島さんが言ってました。
「頂上を見ると高すぎてへばってしまう。頂上を見上げずに、目前の階段を一段ずつ上っていけばいいんだ。」
あんまり目標が高すぎると途中でへばっちゃいます。
とりあえず富士山を登るのは桜島をクリアしてからです。

だからといって桜島に登れるわけではないです。
というか登る人はいません。登ったら捕まります。


とまあなんだきゃんだ考えてるうちに10時間経過。

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 10時間後、デリー空港に到着。
出口手前に両替所があるのを知り、一人一万円ずつを両替する。なぜか小さいルピーに換金してくれない。ネコ美さんが細かいのにしてくれと食い下がる。なかなか粘る。つたない英語で粘る。というか英語なのかもよく分からない。
私より9才年下ですが、なんとも頼もしい。でも結局両替してくれなかった。

出口を出ると右手にプラカードを持ってるインド人がいた。ガイドブックにそうやって騙すのがいるから気をつけろと書いてあった。
目の前に、見た感じが良さそうなガイドさんがいたのできっと彼だと思い、まっすぐ歩いて行く。近づくとHISと書いてある。
違った。自分らの旅行会社はファイブスターズだ。
振り返るとさっきの怪しいインド人がこちらに来る。
見ると私たちの名前が書いたカードを持ってる。この人だったのか。疑ってすまぬ。

すでにフロアのイスに後二人の日本人が座って待っている。二人はそれぞれ東京と埼玉から来ていた。ナオコさんとジュンコさん。
お互い自己紹介をしつつ、ジュンコさんに「どこから来られたのですか」と聞いたら、「成田からです」と答えた。
今の飛行機は成田発だから、そりゃ成田でしょうよ!
と突っ込もうとしたが、インドの風が私の心を穏やかにする。
「奇遇ですね、私も成田から来ました!」



男のガイドさん、年齢は私と同じくらいかちょい下か。
「私はスミットといいます。これからタクシーでホームステイ先のオールドデリーへ行きます。」
タクシーのトランクにリュックを入れる。ネコ美さんとアヤさんは荷物をトランクに入れなかった。ガイドブックにトランクに入れるなと書いてあったのだろう。私の荷物は大丈夫か。

しょっぱなからインドの洗礼を浴びる。タクシーの運転手、なかなか活きのいい運転だ。そしてクラクションを壊れるんじゃないかというくらい鳴らす。周りの車もガンガン鳴らしてる。それぞれの運転手が呼吸する度に鳴らしている。
私達が乗ってる車は途中でクラクションが壊れて鳴らなくなった。大人しくなったかと思いきや今度はライトでパッシングを連発する。…それ意味あんのか。
クラクションの嵐を聞き続けて1時間程。人が大勢いる場所で車が止まる。
スミット「着きました。」
バッグを持ち、全員スミットの後をついて行く。
建物と建物の間にある怪しげな真っ暗闇に私たちは入っていった…。
つづく。

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 真っ暗闇の中、スミットについて行く。
「階段ありますから気をつけて」。少しの灯りもないので全く見えないのだが、なんか人間が横たわっている雰囲気を感じる。
階段を上っていくと、ようやく灯りが見えて大きな扉の前に来た。扉を開けたスミットに中に入るよう促される。促されるままに入っていくと、そこは大きな机のある10畳ほどの部屋だった。


「ここの主人のスーシーラとコックのビノーダです」スミットが紹介する。

スーシーラは80才のおばあちゃん、マザーテレサのような雰囲気の人。
ビノーダは田舎に嫁子供を残してオールドデリーに出稼ぎに来てるコックさん。ビノーダは愛想よくずっとニコニコしてる。年上かと思ったら30才らしい。インド人は若くても顔が出来上がっていて年齢がいまいちわからない。

ビノーダ                    シースーラ

夜遅いので、チャイをいただいた後、さっそく寝泊まりする部屋へ通される。部屋は想像していたよりもきれいだ。

ただ、ベッドは二つしかない。女子二人は大きなベッドに、私は小さなベッドに寝ることに。
まだインドに着いたばかりでそわそわ感が取れてないが、明日に備える為、ササッとシャワーなどを終え床につく。


真夜中に物音で目が覚める。
ゴソゴソ、ゴソゴソ。なんか音がする。
ゴソゴソ、ゴソゴソ。なんか動いてるぞ。私が寝てるベッド横にあるタンスから聞こえる!小動物っぽい。きっとネズミだ!しかも音からして沢山いそう。
でも眠い、動きたくない。というか怖い。
…そうだ!隣の二人に教えてあげよう。私の代わりに解決してくれるかもしれん。
「おーい、なんかいるよ。ゴソゴソしてるね。ネズミかも。」
「……。」
「おーい」
「…」
全く起きる気配がない。

仕方がないので自分で行動することに。とりあえず横にあるタンスを叩いてみる。
ドンドンドン!
…。
ゴソゴソ音がしなくなった。ひとまず安心だ。
ということでお休みなさい。
…zzz
…zz。

どのくらい寝ただろうか、肌寒さで目が覚める。
すでに明るくなってる外で物音がするので、窓から外を覗いてみると、中庭に住んでる?と思われる人達が、朝食を食べたりシャンプーしたりしている。

昨日初対面のナオコさんとジュンコさんもリビングに集まり、一緒に朝食を食べる。
チャパティーなるものが食台に並ぶ。揚げパンの中が空洞になった感じ。カレーに漬けて食べる、なかなかうまい。

食べ終わるとチャイが出る。シナモン風味のミルクティー。
辛いものを食べた後に飲むと、胃の中をうまいことまとめてくれるようでスッキリする。これはいい。

ガイドが来るまでしばし会話を。
私が、夜中出たネズミの話をする。台所にいたコックのビノーダに聞くとそれはきっとリスだろうという。
それを聞いて何となくほっとした。

しばらくしてガイドのスミットが来る。
「ビノーダと野菜市場にお昼の食材を買いに行きましょう。」

ビノーダが野菜を品定めしたり、買ったりしている間……ものすごく視線を感じる。目線をあげるとまわりにいるインド人達が、日本人五人衆に釘付けだ。
インド人は目が大きい。目力がある。
我々がインドを珍しいように、向こうもこちらが珍しいのだろう。野菜市場にはほとんど外国人は来ないのかもしれん。
そういえば屋台で売ってるフレッシュジュースには絶対手を出すなとガイド本に書いてあったな。100%果汁というよりも、100%お腹こわすジュースらしいよ。

家に戻りビノーダが料理を作る。
カレーを作って見せたが、ルーなど使わず香辛料だけで完成させる。
さすがだインド人。

昼食が出来るまでの間、みんなで屋上に登ってみる。
このホームステイしている場所はもともとホテルだったんだろうか。四階建てでさらに屋上にも部屋がある。
ジャッキーやジェイソンボーンが逃走しながら格闘するのにもってこいの場所だ。

一通り見渡して見た後することなくなったのでスミットに話しかける。
何かインド人と日本人の共通の話題はないかと考えついたのがパル判事。スミットにパル判事は知ってるかと質問した。
スミット「知りません。」
他国で何かしたインド人のことなど知らないものかも。まあインド自体の話ではないから仕方ないか。でも一緒にいた日本人に聞いても知らなかった。興味がないとそんなものか。


煙突のようなものの縁に、日光浴しているリスを発見。
おー、君が夕べ来られたリス君か、あと三日程泊まるのでよろしく。

昼食とった後、外出する準備を済まし、みんなを廊下で待っていると

…サササッ。ねずみが二匹私の前を通る。

なぬっ!鼠?
ここには鼠君もいるのか。…ということは…、やっぱり昨晩の動物は…鼠?
隣に立ってるビノーダを見るとニヤついてる。
さっきの話はおちょくられたのか。それともインドでは、リスもネズミも同じとみなされているのか。
ビノーダはクリクリお目々でいつもニコニコしているのでいまいち真意がわからない。

ともかくネズミ君に荷物類を食い散らかされなくてよかった。

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 ご飯食べた後、チャンドニーチョークという商店街を観光。
店の並びに特徴があって、金物屋がある時は金物屋ばかり、本屋がある時は本屋、反物屋がある時はずっと反物屋がつらなっている。

スミットが、リキシャに乗るか、と尋ねてくる。リキシャとな。ピーターアーツが通ってたジムがチャクリキとかいったっけか。そのたぐいかと思ったが違うらしい。リキシャとは人を乗せる籠を自転車で引っ張る乗り物のことだという。ちなみにオートリキシャといってエンジンがついてる三輪自動車もある。 一台につき二人乗ため、三台捕まえたが、そのうちの一台が値段をふっかけてくる。他のリキシャに声をかけなんとか三台揃った。
 それぞれリキシャに乗り込み出発。しばらく乗ってると私とスミットが乗るリキシャがなんともノロことに気づく。運転手に元気がない。他のリキシャ運転手にナめられてるのか、後ろから追い抜かれざま頭をひっぱたかれていた。チャンドニーチョークでは観光客はほとんど見かけなかった。

 商店街を抜けた辺りでリキシャを降り、今度は地下鉄に乗る。日本のように紙製の切符じゃなく、プラスチック製のコインの形したもので構内へ入る。

 電車に乗りニューデリーへ向かう。
電車を降りて駅構内を歩いて行くと、所々に土嚢が積んである。その後ろには機関銃を持った兵士が立っている。そういや好日山荘の店員さんが、「インドの駅で写真撮ろうとしたら兵士に怒られました」と言ってたな。
 地上に上がるとそこはニューデリー。オールドデリーと違い、外国人観光客が多い。それにしてもえらい人だかりだ。

インド人スミットもその多さにビックリしたようで、集まってる子供達に聞いている。「みなさん、日本の大統領が来るらしいです。」
えーっ。インドに鳩山首相が!何しに。
もうすぐ到着するみたいだったが、移動の時間になりパレードはみられなかった。それにしても何しに来たのだろう。そういや鳩山さんは某動画で「日本は日本人だけのものではない」と話したらしい。
はっ。まさかインドに来て
「インドはインド人だけのものではない」
といいに来たのではないか。
そんなこといったらインド人は絶対怒る。というかどこの国でも怒る。
いけない。こんなところにいては我々日本人は拘束されてしまう。一般人にばれたら袋だたきだ。目立たないようにしてさっさと帰らねば。


 鳩山さんのパレードのせいか、駅がとても込んでいるため切符が買えない。
スミットが全員分をまとめて買いに行った。その間私たちは隅っこで地べたに座って待つ。そこへ裕福そうで若いインド人のカップルが寄って来た。
 やばい日本人というのがバレた。どうする、どうしよう。
…他の人みると、五人の中で焦っているのは私だけだった。おそらくみんな世界情勢なんぞ興味がないのだろう。
インド人カップルが話しかけてきた。写真撮らせてくれという。このカップルはデートの真っ最中で鳩山首相どころではないようだ。助かった。
そんなに日本人は珍しいのか。中谷さんとか菅野さんとかが来るくらいなんだから日本人は結構来てそうな感じするんですけど。
…。もしや鳩山さん
「日本は日本人だけのものではありません、インド人のものでもあります」
なんていったんじゃなかろうな。だからこのカップルも、新インド人がいると思って寄ってきたのかもしれん。
 日本はインドになっちゃうのか。
いやだ、毎日カレーばっかじゃイヤだ。
たまにはラーメンも食べたい。天津飯やチャーハンも食べたい。
いやいやこれでは中華料理ばかりじゃないか。
撤回!おはぎや鹿児島名物じゃんぼ餅や、かすたどんを食べたい。
いやいやこれでは血糖値が高くなる。
やっぱり日本人ならば納豆や寿司や蕎麦を食べたい。あと味噌汁も。
つくづく日本食というものはすばらしい、などと考えているとスミットが切符を買って戻ってくる。
食べ物のことを考えすぎて、いつの間にか鳩山さんのことなど忘れていた。結局何事もなく家路につきましたとさ。


その日の夜、ステイ先まわりの商店街に買い物に行くことになり、再び外出する。
ここで女子力が発揮される。
男は一度見たら、欲しいものでなかったらだいたい興味がなくなるのです。そんなのお構いなしでお店からお店に渡り歩く女子達。そして、ただ後ろからついてゆく抜け殻の自分。


ナオコさんとアヤさんがアレがいいコレもいいとやっている。
ネコ美さんは店主にマケろと粘っている。隣でそのやりとりを見ていたインド人の奥様が笑ってる。
…www。www。
粘る。(伝達法はジェスチャーです、英語もヒンディー語もできません)
…www。www。
まだ粘る。(ジェスチャーがさらに激しくなってる模様)
微笑んでいただけのインド人の奥様が大爆笑しとる。「まあなんて面白かわいい子ざましょ」といってネコ美さんをハグしている。値段交渉でインド人を笑わすなんてなかなかの力量である。

散々歩き回った挙句、誰も何も買わずに帰宅。そして食事。やつらはまだ物足りなさそうだった。
鳩山さんがいう友愛なんか掲げずとも、日本は女子力でやってけるんじゃないかと思った一日だった。
つづく。

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 今日はアーユルヴェーダを体験する日だ。
アーユルヴェーダとは、古代インドから続く大きな概念をもとに、医学やらなんやらを実践していくものらしいです。東洋医学のようなものだろうか。
本で調べてみると、チベット医学や古代ギリシャ、ペルシャ医学にも影響を与えたと書いてある。ということは古代の中国にも影響を与えた可能性があるんじゃなかろうか。鍼灸の勉強になるかもしれん。


手配した車で移動し、とある住宅街に到着。ここはインドのセレブ連中が訪れる所だとか。
スミットが受付に行き、我々は入り口で待っている。

入り口にはガネーシャ像と、水の上に花を浮かべた鉢。それをボーッと眺めていると、私達の前をヒゲ生やしたスーパーマリオ似のインド人が横切る。
ヘェー、インドでは男性でも昼間からこんなところに通うんですね。そのマリオさんがこっちを見て、なんか私に合図を送る。
なんだ?「ここは最高だよ、にいちゃん!」と私に身振り手振りで教えようとしているのか。
はっ!…まさかここは男性が喜ぶサービスをしてくれるところなのか!
それはイイ!と一瞬思ったが、ネコ美さんと一緒ではないか。そんなこと出来るわけがない。そんなことあった日には帰りに変な空気になるだけではすまない。
……。
…でもこれはあくまでインド体験である。インド社会見学である。不可抗力だ。自分が悪いわけじゃない!そうだ自分は悪くない!
YES!I CAN!
などと一瞬のうちに、一国の大統領がする程の決断を下した私だった。これぞまさしく男子力!

…けれどなんか違う雰囲気。
よくみるとマリオが、「こっちについて来い」みたいな合図をしてる。
スミットが「あなた、この人について行きます」と私を促し、一人だけ別の建物に連れて行かれることになった。
なるほど。女人禁制か、そりゃそうですわな。
言われるままついて行くと、そこは六畳ほどの所に木製のベッドとマリオさんと私。

マリオさんが、裸になってベッドに座れという。あなたアーユルヴェーダ師だったのか!
するともう一人ヴェーダ師が入ってくる。こちらはルイージさんですか?
とりあえずシャツだけ脱いで座ろうとする。
「FULL!」ヴェーダ師がいう。
今度は下に履いてたカーゴパンツとヒートテック股引を脱いであらためて座ろうとすると…「FULL!、FULL!」
なんですと!パンツも脱ぐの!?そうかさっきからフル、フル言ってたのはフルチンのことか。
フルチンとはチン○○がフリフリしてるからフルチンかと思ってましたが、英語のFULLが語源だったとは!勉強になる。
…いやいやまてよ、全裸かよ!こんな個室に男二人に囲まれて全裸になれと!
やばい、私は異国のこの町で新しい世界に踏み出そうとしている。
たしかに日本では味わえない体験です。
言われるまま全裸になると、頭にオイルを大量に垂らされること約五分。
次は仰向けに寝ろという。木製のベッドなので少々痛いが、今の私は、人生最大の危機が訪れるのではないかと痛みどころではない。
体全体にオイルをかけられた後、二人が私の左右に立ち足先から胸まで呼吸を合わせ、イィーチ、ニィー、てな感じでさすっていく。
そうやって何十回もさするので、ヴェーダ師の手がたまに私のビッグマグナムをかすめる。
リラックスとか気持ちいいとかどころではない。どうかマグナム君よ反応するのだけはやめてけれ。
そうだ!違うことを考えよう!


入り口で見た私のビッグマグナム並のガネーシャの鼻を思い出す。インドは所々にガネーシャやらシヴァやら神様の像が置いてある。
インドは日本と似て、たくさん神様がいるらしく、インド人それぞれに好みがあるらしい。スミットに聞くと「私はシヴァが一番です。インドで一番人気があります。」
インドの神様の中で一番偉い?だからではないかと思った。なぜなら、以前北京に行った時にそこのガイドさんが「私は毛沢東が好きです。中国人みんな好き」と言っていたのを思い出したからだ。
まあ現権力の創始者だからちょっと意味合いが違うかもしれないが、一番えらいのが好きというのは大陸の風潮だったりして。
日本では、一番偉い人が一番人気があるとは限らない。
江戸幕府を作った徳川家康よりも暴れん坊将軍が人気だし、明治維新に関わった誰よりも、坂本竜馬に人気がある。

などと考えているうちにマリオさん、今度はうつぶせになれという。
ふぅー。なんとか表はクリアしたようだ。これぞまさしく一面クリア。
この後うつぶせになって、同じようにゴシゴシとオイルを塗られたが、マグナム君は反応はせず、私にそっちの気がないことが証明された。
なんだかほっとした。リラクゼーションのはずが何しにきたんだ。
最後にオイルまみれの体をタオルで拭いてもらったが、キレイに取れておらず(成分をしみこませるということもあるのだろうか)、下着類がオイルで少しべとべとになった。洗っても取れそうにないので、今日の下着はもうインドでは着れないな。
帰り際にヴェーダ師が「ENJOY!?」と大きなお目々で聞いてくる。
正直答えるどころではなく、頬がひきつった愛想笑いを浮かべるのが精一杯。ただ、私としては何か一皮むけたというか、一つの壁を乗り越えたような感じがした。ドラゴンボールの「短時間の稽古で急激に強くなる部屋」から出てきたらこうなりました、ぐらいの勢いだった。


昼は南インド料理のレストランへ。
ドサという食べ物を注文。クレープよりちょっと硬めの生地の中にやっぱりカレーの具のようなものが入ってる。
これもまたうまし。インド料理は全般的にうまい。

夜はアヤさんとネコ美さんがステイ先近くの商店街に行くというのでついて行く。ナホコさんとジュンコさんは別行動。
三人でしばらく歩くとスィック教の寺院があった。そういや昼のレストランからもスイック教のお寺が見えた。
一昔前までインド人といえばターバンをイメージしていたが、スィック教はそのターバンを巻いてる人達の宗教だ。
スミット曰く、子供の頃から髪を切らないから、伸びた髪の毛を頭に巻いてその上からターバンを巻いているらしい。
そういや昔ザ・シークてプロレスラーがいなかったっけか。あの名前はスィック教から来てたのか。

寺院を眺めていると、ターバンをしたプロレスラー並みの体格したインド人が寄ってきて、中への入り方を教えてくれた。
靴を脱いで入り口の靴預け場所に預けないといけないらしい。
入り口の地面からは、足を洗うように下からシャワーが出ている。自分達も足を洗って人々について行く。
みんな座ってお祈りらしきことをやってるので、自分たちもそれとなくまねをした。
すぐに手持ちぶたさになったので外に出る。
女子達はグイグイ進む。
食べもしないのに、インドのマックはどんなメニューだと入ったあげく注意されたり、インド人が使用する木で出来た歯ブラシを売ってる露天商にまけろといってみたりしてる。
まだまだ興味を誘うものがあるらしくグングン進んで行く。おーい、君達どこまで行くんだーい。

色々歩き回って結構遠くまで来た。食事の時間が近づいたので帰ることに。
帰ってみんなで晩ご飯。
ナホコさんとジュンコさんはオートリキシャでバザールに行ったらしい。
女子力の前では、私が昼間に発揮しかけた男子力など足元にも及ばない。

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 朝五時起きだ。
駅に着くと入り口に大きな水槽があった。

インドで魚ちゃんをみられるとは!
飼いはしないが、熱帯魚をホームセンターで見ていると癒される。
魚ちゃんはともかく、インドの電車に関してあんまりいい評判を聞いていないので乗るのは少々不安だ。
プラットホームで列車を待っていると、足に障害を持った男が地べたを這うようにこちらに寄ってくる。手を差し出して、お金をくれという。
インドでは、フラフラ寄ってきて「なんか恵んでくれ」という人が多い。大概スミットがヒンディー語で追い払う。
そういった人のなかには子供にわざと障害を負わし、不憫な子を演じさせ、お金を貰わせたりすることもあるらしい。
 
列車が来て乗り込む。
椅子が進行方向を向いているタイプ。
思っていたよりも椅子がゆったりしていて結構快適。スミットが朝食は列車で出ると言っていた。
しばらくすると、キャンディやらお菓子やらを乗務員が配って回りにきた。
これが朝食か!と思ったがその後にちゃんとした朝食が来た。

       「お菓子」                「朝食」
新聞も配ってる。めずらしいのでもらう。
見ると、鳩山総理がインドのお偉いさんと写真におさまっている。
私たちがインド人に絡まれないところをみる限り、失言はなかったようだ。
 
2時間程でアグラ到着。向かう先はインドの観光地として有名なタージマハル。当時の王様が三番目の奥さんに作ってあげたお墓。

観光客多し。インド人のみならず、全世界から来てる模様。
お墓の中は真っ暗。
撮影禁止らしいが、誰かがフラッシュをたいて光る。
タージマハルを出て、ホテルで昼食を食べる。
食べた後、今度は近くの赤いお城へ。
二階に上がると、遠くにさっき行ったタージマハルが見える。
景色を眺めてブラブラしていると、白人カップルが私にカメラのことで尋ねてくる。
日本人だから精密機械に詳しいだろうと思ったのだろう。
何言ってるかわからなかったのでスミットを呼んで通訳してもらったら、
「日本製のカメラだから使い方を教えてくれ」ということだった。
「私も、アムロが初めてガンダム操縦したぐらいの危うさで使用しているので、よくわかりません。お役に立てずに済みません。」といった。
伝わっただろうか。
赤い城を出ると、女性陣がショッピングモールやらバザールを見たいというので行くことに。
中に入ると、露天のお兄ちゃんが話しかけてくる。
インドの女性がおめでたい時に、腕などにつける模様をしてくれるらしい。
さっそくみんな食いつく。スミットがマケてもらうよう頼んだら、女性陣みんなしてもらうことになった。

もう一つのバザールへ
屋内にもかかわらず日本にはないような遊具があった。
遊具というより何かの訓練機みたいだ。
これは空中遊泳訓練機だ。きっと未来のアムロ・レイを育ててるに違いない。

夜はタージマハルを作った王様の芝居を見に行く。
スミットに連れて行かれた入り口はちょっと怪しげ。
VIP専用の入り口らしい。

ちょっとトイレへ。なぜか男が一緒についてくる。
入り口付近で男が待っている。
用を足して手を洗ってると、男が紙を取って手渡してくれる。
…イヤ、別に自分で取れますけども。
というかあなたから手拭き紙までの距離と私から手拭き紙までの距離はそんなに変わらない。
VIP待遇はめんどくさいなあ。
逆に、このボーイらしき人に気を遣ってしまう。
 
一番前のど真ん中に席が取ってある。まさしくVIP。
いやまてよ、映画などのVIPはマフィアなんかが上の階の個室から見てないだろうか。まあどっちでもいいや。
 
まだ誰も来ていない。
待っている間にだんだん眠くなる。
昼間さんざん歩き回ったので、くたびれています。
劇が始まりましたが、私のまぶたという名のドン帳は下りようとしております。でも座っている席が席なだけに眠るにも眠れない。
 
ドン帳が開いたり閉まったりしてる中、見えるのはインド映画並みに踊りまくるダンサー達。
日本語訳がイヤホンから流れておりましたが、内容は覚えておりませぬ。
〆は、インドの国歌らしきモノを、インド国旗ブンブン振り回してみんなで歌う。
帰り際、スミットが「最後の歌はインド人みんな好きです」という。
「あれ国歌ですか?」
「そうですよ、私の一番好きな歌です。インド人みんな好きです。」
日本では国歌斉唱も国旗掲揚もしない地域があるらしい。
少し前にどこかの学校で、国歌斉唱時に先生は誰も起立せず、生徒は一人残してみんな歌わなかったという話を聞いた。
自分たちは起立せずに規律を守らず、どうやって校則を守るという規律を生徒に教えられるのだろうか。
 
子供達よりも教えてる大人に問題があるのは、インドでも日本でも同じらしい。でも国歌を当たり前のように一番好きだといえるインド人のことを、正直うらやましく思った。
 
ホテルに帰るとネコ美さんがフラフラするという。おでこ触ると熱がある。
夕飯も食べたくないみたい。
スミットに「ネコ美さんが寝込みました。」と伝える。
「…。」
スミットはダジャレが通じるほど日本語は理解できてないようだ。
旅先で体調崩すことほどヤなことはない。
大丈夫か、ネコ美さん!
 
つづく。

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 朝、寝床の窮屈具合で目が覚める。室内は真っ暗だ。
少しフラフラするような…、体が冷えたかな。
いや病は気からだ、何ともないと思っていれば何ともない。
同室のネコ美さんとアヤさんはまだ寝ている。
ここは元々二人部屋らしく、夕べ従業員が無理矢理三人部屋にしていった。女の子二人が寝てるのはダブルベッド。
私の、ベッドと思われていたものは、よく見ると何かの台に布団を乗せてるだけのものだった。
寝苦しいわけだ、オールドデリーのシースゥラ宅が懐かしい。
荷物をまとめていると、他の二人も起きてゴソゴソし出す。
ネコ美さんは、熱冷ましを飲んだおかげでだいぶ回復したようだ。
彼女は、数ヶ月前からインド準備に取りかかり、薬類はほぼそろっている。
寒さ対策も完璧で、鹿児島で出発前に見た時は着ぶくれしてまん丸くなってて、その上青いジャンパーを着てきた為、思わず「ドラえもん!」と呼んでしまった。


今日の列車乗車時間は長い。
朝食食べながらスケジュール表見ると、約十時間と書いてある。
アグラからベナレスへ。
ベナレス、バラナス、バラナスィ。
日本語表記は様々だ。中谷美紀さんはバラナスィと書いていた。
不思議なもので小さい字を入れると現地語っぽくなる。
ガイドのスミットにしても、ナホコさんは「スミッ」と呼ぶ。
私の世代だと、角がリリーフで登板するのかと思ってしまう。
ネコ美さんはコックのビノードァを「ビノーラ」と呼ぶ。
彼女は宮崎の東国原知事を「東こくまる」という。カレーがまろやかになりそうだ。
アグラ駅まで車を使う。
途中で、猿の群れがたくさんいて野良ザル状態。

駅に着き、ホームで待ってる間みんなでぶらぶら、キオスクでお買い物。
ホームには野良牛がいる。邪魔です。


日本では、色々インド関連の本を読んだ。
子供が写真を撮ってと言われて、その通り撮ってあげると「写真撮らせたからお金ちょうだい」とくるそうな。
列車を待っていると、目がクリッとした男の子が私達日本人を物珍しそうに見ている。こちらが笑うとニコッとする。
近くにお母さんらしき人が、その子供にアドバイス?のようなことを言ってるように見える。
昨日のバザールでは10才くらいの女の子三人組が写真を撮ってと言ってきた。
ナホコさんが撮ってあげるとその三人組がなんか話してくる。
子供達が言ってることは全然わからないのだが「お金ちょーだい」と言ってるように聞こえる。
読んだ本に影響されてしまったか、それとも本当にねだられてるのを直感で感じているのか。

スミットがみんなにインドのファーストフードらしきものを勧める。
サモサといって、アップルパイみたいな生地の中にポテトが入った揚げ物。意外においしい。
列車がやってきて乗り込む。もちろん定刻通りではない。
車内は上下二段の寝台だ。思っていた程悪くない。
ジュンコさんやナホコさんに、色々日本での話を聞いた。
ナホコさんからは、カンボジアで少年に水辺でボートに乗っけてもらった話。
小舟に乗っけてもらったはいいが、岸からだいぶ行った所で、
「金をやらないと、このワニのいる川に落とすぞ」と脅され、しかたなくお金を渡したとか。
あとは、もともと福岡の田川出身だという話などを聞いた。
昔一度だけ田川に行ったことがある。ボクシングの世界戦を見に行ったのだ。平仲信敏選手が世界タイトルに挑んだ試合。
満員の会場では、平仲選手が手を出すと当たってないにも関わらずものすごい歓声。
試合は判定までもつれた。
歓声に影響されたのか、私は判定勝ちだと思った。会場からも「おめでとう!」なんて言葉が飛び交う。
しかし判定はチャンピオンに。
家に帰ってビデオを見てみたら、判定は妥当だった。
青島刑事は「事件は現場で起きてるんだ!」なんてよくいってるが、判定は現場で見るよりお茶の間で見た方が正確だと思った。
隣の列車からスミットがやってきたので彼ともしばし話す。
「スミットは何歳ですか」
おいらの予想ではだいたい30代くらいだと思っている。
「二十歳です」
「…。」
「ご冗談を。そのビール腹が二十歳なわけないでしょうが!」
「ほんと、これ免許証、ほら」
そういわれてみると確かにバザールに行った時、仕事にもかかわらず私達のことほっといて、自分の洋服を買いに行っていた。
あれは、典型的なおしゃれに目覚めたお年頃の行動だ。
すぐ仕事終わらせて帰りたがったりしたのは、インド人の気質だけではなく若さゆえのものだったのか。


かれこれ電車で十時間。ベナレスに着いた時は真っ暗。
駅から車で一時間ほどかけてホテルへ。道ワルし。
ホテルに着くなり、早速レストランへ通される。
インド来てからずっとカレーばっかりだったので、中華を頼んでみた。
料理頼んで待っている間、水飲んでると、なんか寒気がしてくる。
なんか体調がおかしい。気分が悪い、朝以上にフラフラする。
料理が来た。一口食べたがえらいおいしい。
北京や上海で食べたものよりおいしい。でも食べたくない。
せっかく頼んだ中華が食べれらない。
明日はこの旅で一番重要な日だ。みんなより先に部屋に入って早く寝よう。
席を立とうとすると、先に来ていた白人が私達に話しかける。
何言ってるかわからない。
するとアヤさんが
「ノー」と答える。
さすがヨーロッパを三ヶ月バックパッカーしただけのことはある。
でもまだ何かを白人が言っている。アヤさんの答えが間違ってたのか。
すると隣で聞いてたジュンコさんが
「イエス」
「OH、ハッピーニューイヤー」
「ハハハ」
「エヘヘ」
白人は去っていった。
ジュンコさんに聞くと
「あなた達の国ではもう年が明けたかい?」
「さっき明けました」
「オーそうですか、それはよかった。明けましておめでとうございます!」
ということだったらしい。
なんとアヤさんは英語が出来る子ではなくて、ただ単に度胸と愛嬌がある子だった。
インド商人をあきれさせるほど値切ろうとしたネコ美さんといい、アヤさんといい、私が心配してついて来る必要はなかったんじゃなかろうか。
ついてくる必要はなかったかもしれないが、私はいつの間にか旅の魅力を感じ始めていた。
インドで間もなく年が明ける。
せっかく来たのだから、頑張って年が明けるまで起きて、新年を迎える雰囲気をあじわいたい。
私がシャワーを浴び終えた頃、同室の二人が食事から戻ってきた。
外で花火が鳴ってる。年が明けたようだ。
部屋を出て、花火の出所をみんなで探したがわからなかった。
おいらも一緒になってウロウロしたが、またフラフラしてきたのですぐ部屋に帰る。
二人とも新年迎えてはしゃいでる。
「ハッピーニューイヤー!」ネコ美さんはすっかり回復したようだ。
あちこちで花火が鳴っていて、少しは年明けた感があるが、インドテレビではゆく年くる年をやっていなかったので日本にいる時程、実感がわかない。テレビ見ても芸人さんやらアイドルさんやらが出てこない。
明日のガンジスで、インドに来た感と年明けた感を堪能するぞー。


調子ワルし。
ネコ美さんに熱冷ましをもらって飲む。
その時私には、彼女が何でもかなえてくれるドラえもん、ならぬドラミちゃん、ならぬネコミちゃんに見えた。
どうか4時間後はよくなってますように。

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 肌寒さで目が覚める。
まだ体の節々が痛く少しふらつくけども、薬が効いたか昨晩よりはいい。
ここ一番大事です。
元気なふりして大きめに声を出しておけば自分をだませます。
いつもより半音高めにキーをあげて発声練習。
病はキーから!
一階のロビーに集まりスミットを待つ。
まだ外は暗い、ガンジス川の近くまで車で行き、車降りて10分ほど歩くと目的地の川縁に着くそうだ。
スミットが来てみんな車に乗り込む。
みんなまだ眠いので言葉少なめ。
スミットが眠そうな声で「着きました」
車降りてあたり見渡すと、大勢の人が同じ方角に歩いて行く。
インド人と同じくらい白人も目立つ。
日本人はほとんど見かけないけど、ガンガーで初日の出を拝もうと考えてる人は私達だけではないらしい。
日本なら神社へ初詣に行くみたいなもんなのだろうか。
途中で露天商が建ち並んだ細い通路を通ったが、真っ暗で何も見えなく、ものすごく不気味だった。正直行っちゃいけないところに連れてかれるのではと思ったほどだ。
しかし、そこを通り過ぎるとまもなく川が見えてきた。
川のほとりに到着すると、すでに結構な人だかり。
インド人の女の子が寄ってきて、マリーゴールド様の花と蝋燭が入った器を渡される。
これをガンガーへ流すのが恒例らしい。
おみくじを引いて、よくない時は木にくくって帰るようなものか。

スミットにボートを手配してもらい、いよいよガンジス川へ。
みんな乗り込むと、とりあえず船頭さん漕ぎだした。
向こう岸に渡るわけでもないので行き先がはっきりしない。
あたり見渡すとたくさんの船が浮かんでおり、みんな200メートルほどを行ったり来たりしている。そうかこうやって初日の出が昇るのを待っているのか。
しばらくの間、プカプカ波に揺られていると、お土産を乗せたボートが近づいてきて私たちに商売を始めようとする。
よく周りを見渡してみると、そういったお土産船があちこちにいる。
中にはまだ中学生ぐらいの男の子がボート漕いで近づいてくる。それをうちの船頭さん、意地悪して追いつけないように漕ぎスピードを上げる。
一生懸命追いつこうとする中学生を見て、船頭のおっちゃん笑ってる。
というかよく見たら、うちの船頭さんも結構若い。おいらより若いんじゃないか。ようやくインド人の顔年齢がわかるようになってきた。

岸を眺めていると日本人らしき二人組がガンガーへ沐浴しようとしていた。
中谷さんは「どうか沐浴するような勇気ある日本人が、後で体調崩しませんように」と心配していたが、二人組は楽しそう。男二人でキャッキャッ言っている。
岸にある建物の一つに「久美子の家」と書いてある。
スミットに聞くと
「久美子という日本人がインド人と結婚して商売してます。有名人です」
幼稚園の頃に「コメットさん」を大場久美子という人が演じていた。
または、私の叔母に久美子さんがいる。
世代で流行りの名前があるので、きっとインドの久美子さんも、叔母や大場久美子と同世代だろう。
乗船時に、少女から買ったマリーゴールドの蝋燭をみんなでガンガーに流す。

「今から火葬場の前を通ります。写真は撮らないでください」とスミット。
見ると岸にある火葬場から煙が出ている。
「インド人にとって、ガンガーで埋葬されることは最良の望みなのです」
そろそろ初日の出が出てきてもよさそうな時間ですが…。
結局最初から最後まで曇っていた。というよりもインドで太陽をまだ拝めていないッス。
2010年元旦、初日の出は拝めずに日が明ける。
波に揺られ、まわりにもたくさん船が浮かんでて、なんかフワフワした気分がしてくる。
ガンガーで初日の出を拝むという達成感は得られなかったけども、今この時にインドにいることだけは間違いない…はずなのだが、このフワフワ感の為かそれすら疑問に思えてきた。
火葬場から煙が出ている。
川岸で、洗濯物を石にたたきつけて洗濯したり、大勢で沐浴したり。
岸の舞台らしき所で、横に10人ほど並び、インド音楽ならしながらヨガをしている。その様はインディジョ-ンズで、”洞窟で生け贄を捧げて踊っている人達”みたい。
日本にはない風景。
はたして元日にガンジスにいることは現実なのであろうか。
横を見ると、レギンスを履いた女の子がガンジスに口をつけてる。
ガンジスに口づけしたらカクジツに腹こわしますよ。
ボートを下り岸を探索していると、階段に志村のけんさんがやるような格好のインド人が数人座っている。
スミット曰く「お坊さん」らしいが、どう見たって通行人を笑わそうしてる風にしか見えない。

問題
この人達は何者か?
①殴られ屋ならぬ笑わせ屋。
②世の中を風刺しているパフォーマー。
③いつかは聖地の秋葉原に行きたいと思っているコスプレ好きのおじさん。
志村さんに、写真を撮ってイイかお願いしたら金を払えという。
こういうことには興味津々のネコ美さん、即座に払うといいだした。
お金払ってカシャ!

岸のあちこちにインドの神様の絵が書いてある。
シヴァ、ガネーシャ、シヴァの奥さん。そして久美子さん。

だいたい見て回ったのでホテルへ帰ることに。
来た道を歩いて帰る途中、行きは暗くて見えなかったがボディビルジムのポスターを発見。
入会する人いるのだろうか。インドでこんなマッチョ見てないけど。


犬が同じ形でくるまってる。置物かと思った。
インドの犬はほとんど吠えない。
よっぽど躾が行き届いているのか、食べてなくて元気がないかのどちらかだ。…おそらく後者だろう。

ホテルに着くなり朝食を頂く。
食べて部屋に戻り、出発準備していると、玄関のチャイムが鳴る。
「はいよ~」
出るとインドのイメージそのまま、ターバン、お目々ぱちくり、マリオの髭三点セットのボーイさん。手に半分使用した量程しかないトイレットペーパーを持っている。
「あー、どうもありがとう。もう紙なくなりましたけど自分たちで持っていますからいりませんよ。」
「…。」
ボーイさんスマイル立ち。置かせろってことかな。
「じゃあ貰います。ありがとうございます。」
「…。」
こちらがティッシュ受け取っても、ボーイさんスマイル立ち。
もじもじしながら笑顔を振りまき、そして私達3人に1人ずつ目配せをする。
「…。」
「…。」
「チップ!」と3人で気づく。
チップを渡すとニコニコしながら出て行った。見事なまでの映画で見るようなおねだりサインだった。
出発まで少し時間があったので、ホテル近くの商店街へ買い物行くことに。
チャイの粉末やらカレー粉しきものを購入。
レジでお金払う。
おつり三ルピーのはずだが、インド人にしては愛想のよいおばちゃんはあめ玉三個を渡すのみ。そして笑顔。
いやいやっ、少しくらい愛想よくてもそれはダメでしょう。
それはいけません。ちゃんとおつりやりましょうよ。
「…。」おばちゃん再びスマイル
いやいや、そのくらいの笑顔マック行けば無料ですよ。何してんですか。
インド支店です?いやいやその支店じゃないですよ。
すると「インドは一桁のおつりの場合、アメとかお菓子で渡すんだよ」とネコ美さん。
「…そうなんだ。ごめんねおばちゃん。笑顔は世界共通で無料だね。」
 ホテル出て、次は遺跡巡りです。
仏陀が祭られている建物へ。
入り口に物売りの兄やん達がうろうろしている。
近づいてきて「安いよ」という。しつこく追ってきて
しまいには「後で?後で?」だって。意味わかってるんだろうか。
おそらく日本人が「あとで、あとで」ていうもんだからまねしてるのだろう。
とにかくみんな「あとで?、あとで?」という。
 いったん建物出て、その横にある遺跡へ。
円柱の形した遺跡の回りをみんなグルグル回っている。
地べたに這ってお祈りする人もいる。中にはチベット僧らしき人も。

囲ってるフェンスの外から、物乞いの人たちが手を出してなんかちょーだいとせびる。
最初は可哀想だからと、ホテルでもらった水でもあげようかと思ったのだが、よく見ると後ろで仕切ってる人が…。
現場監督らしき人が、観光客にもっとアピールしろといわんばかりに物乞い係を煽ってる。
世の中にはいろんな仕事があるもんだ。「13歳のハローワーク」に載ってるかも。
ベナレス駅へ。
列車2時間待ちらしい。ホーム横にある食堂らしき所で待つ。
壁に、「他人が勧める飲食物には気をつけろ」のポスターがあった。インド人にすら注意を促さなきゃならん程多いのか。

スミットがみんなにチャイをおごってくれる。
インドでは朝から晩までチャイだ。一番美味しく感じたのはホームステイ先で飲んだ、ビノーダが入れてくれたチャイ。
ネコ美さんとアヤさんが、日本でレッスンを受けてるアフリカンダンスを踊る。インドでアフリカン。ワールドワイドな人達だ。
この列車で一日過ごせばインドから解放される、と思うとなんだか嬉しいやらさびしいやら。
つづく。

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食事

ジャガイモのカレー味
チャパティー
人参とカリフラワー的な
キャベツとキュウリとナス的な

ヨーグルトに春雨が入ってるようなデザート
氷砂糖と甘苦い緑のやつ

ようやく出会えたナン
果物(なし?)

インドで中華料理(中国よりずっとおいしい)


動物

リス君

夜の牛さん

らくだ

牛さん

らくだ

緑の鳥

野ザル

のザル

のザル

矢木さん

同じ体勢

犬君

カラス

洗濯中
日本人らしき若者ガンガーへ
ガネーシャ?
ガンガーで弾き語りおすすめはこれですよ
神様がたくさん
いつの間にか人だかり
あちこちに神様
ガンガー付近の商店街

乗り物


リキシャ

リキシャ

オートリキシャ